今回はアマゾンが提供しているFBAというシステムについて詳しく解説していきます。
アマゾンで販売を始めると必ず耳にすることになる「FBA」という単語。
何となくは理解できているけど、まだよく分からない…という人、結構多いようです。
このFBAというシステムをうまく活用することによって、非常に効率的に売上を拡大していくことが出来ますので、今回の記事をしっかりと理解してあなたのせどり活動に取り入れてもらえればと思います。
FBAとは何か?
FBAとは正式名称を「フルフィルメント by Amazon」といい、その頭文字をとってFBAと呼ばれています。
FBAとは具体的には、アマゾンが提供する販売業務効率化サービスです。
では一体どのような業務を効率化できるのでしょうか?
通常、アマゾンで商品を販売する流れとして
- 商品を仕入れる
- 仕入れた商品を出品する
- 商品が売れるまで在庫を保管
- 商品が売れたら商品を梱包する
- 梱包した商品を発送する
という感じになります。
商品を仕入れてから売れるまで、自分で商品を保管して、商品が売れたら自分で商品を梱包し、発送をする必要があるわけですね。
これって結構大変な作業ですよね。
しかも在庫数が増えれば増えるほど、商品を保管しておくスペースがなくなってきて、ちょっと大変なことになったりします。
しかも、そんな大量の在庫の中から、売れた商品を探し出し、さらに梱包してそれを発送までしなければいけません。
在庫数がそんなに多くない最初のうちはそれでもなんとかなるかもしれませんが、在庫数が100点、200点と増えるにつれて、とてもじゃないけど対応しきれなくなってきます。
そんなときの強い味方がFBAというシステムです。
FBAのメリット① 業務の効率化
FBAというシステムは、アマゾンが在庫商品を預かってくれて、しかもその商品が売れた場合、梱包から発送までアマゾンが行ってくれるサービスです。
つまり在庫スペースに悩まされることもなく、商品が売れた後の梱包、発送までも全く自分でやる必要がなくなるのです。
これは素晴らしい仕組みですよね。
FBAを利用することで、販売の流れは下記のようになります。
- 商品を仕入れる
- 仕入れた商品を出品する
- 出品した商品をアマゾンに送る
- 売れたらアマゾンが送ってくれる(メールで売れたお知らせが来る)
このような流れになります。
自分で行う必要があるのは、出品した商品をアマゾンに発送するまでで、商品の在庫管理、売れた後の梱包、発送は全てアマゾンが行ってくれます。
なので商品をアマゾンに送ってしまえば、あとはほったらかしでOKという夢のシステムです。
つまりFBAを使用することによって、圧倒的に業務を効率化することができるという素晴らしいメリットがあるわけです。
さらに、FBAシステムを利用するメリットは、業務の効率化だけではありません。
業務の効率化以外にも、FBAを利用するメリットはいくつかあります。
FBAのメリット② 商品が売れやすくなる
実はFBAを利用することによって、遥かに商品が売れやすくなります。
なぜFBAを利用すると商品が売れやすくなるのか?
それは
- 送料が無料になる
- 決済方法が拡大する
- Amazonのブランドを利用することで信用されやすい
という3つの理由からです。
一つずつ具体的に解説していきます。
まず①の「送料が無料になる」ですが、アマゾンのFBAを利用することによって、購入者さんが商品を送料無料で手にすることができます。
なので送料が有料の出品者よりも、送料無料のFBA出品者の商品の方が売れやすいわけです。
これは同じ値段の場合にも当てはまります。
こちらの画像をごらんください。
もし単純に価格だけで購入する商品を決める場合、あなたなら下記のうち、どちらを選択するでしょうか?
価格はすべて同じ1,150円になっています。
おそらく多くの人は、一番上の1,150円を選択すると思います。
もちろん、送料が無料だからという理由だけでなく、実際には他の要素が絡んでくるので単純化することはできませんが、実際に送料が無料になることで商品が売れやすくなるのは事実です。
また、同じ価格の場合、自己発送出品者よりもFBA出品者の方が上に表示されるので、より売れやすくなるという効果もあります。
次に②の「決済方法が拡大する」です。
基本的に自己発送で商品を販売する場合は、購入者はクレジットーカードで決済することになります。
しかし世の中には
クレジットカードを持ちたくない人
クレジットカードを持てない人
持っていても使わない人
と、色んな理由でクレジットを利用しない人がいます。
こういう人は実際かなりいますので、決済方法がクレジットカードのみになると販売機会を逃しているのは間違いありません。
一方、FBAを利用することによって、決済方法に「代金引換」を追加することができます。
これによって、クレジットカードを利用しない、もしくは理由があって利用できない人でも、代金引換を選択することで商品を購入することが可能です。
結果、売れる商品数が増えることにつながります。
また、決済方法ではないですが、FBAを利用すると購入者が「お急ぎ便」を指定できるので、早く商品を手に入れたいという人もFBA出品者を選択して購入することが多いです。
次に③の「Amazonのブランドを利用することで信用されやすい」です。
まず、下記の画像をご覧ください。
FBAを利用すると出品者名の下に、「AMAZON.CO.JP配送センターより発送されます」
という表示がされます。
これによって購入者さんは、アマゾンが商品を販売していると考えたり、アマゾンが発送するなら安心するという風に考えることが多くなり、有名な「アマゾン」という企業のブランドに乗っかることで、信用してもらうことができ商品が売れやすくなります。
ネットでの商品の購入は実際に店舗で購入するのとは違って、実物が目の前にないのでやはり抵抗を感じるというか
「商品はちゃんと届くのか?」
「お金だけ取られてしまったらどうしよう」
「粗悪品が届いたら…」
と不安を感じている人も多いようです。
そういう人に対して「アマゾンから発送します」という表記はかなりの安心材料になり、その出品者から購入することを決定させるのです。
「きっとアマゾンだから大丈夫だろう」
そういう心理が働くんですね。
それにより、販売数が増加することになります。
以上がFBAを利用することによって、商品が売れやすくなる理由になります。
商品が売れやすくなる以外にもまだまだFBAのメリットはあります
FBAのメリット③ 商品を高く販売できる
FBAを利用することによって、自己発送者よりも商品を高く販売できるようになります。
それはなぜか具体的に解説しますね。
さきほどの「メリット② 商品が売れやすくなる」の解説で挙げたポイントである
② 決済方法が拡大する
③ Amazonのブランドを利用することで信用されやすい
という特徴は、商品を高く売れる理由にも直結します。
まず「決済方法の拡大」ですが、さきほども説明した通り、世の中にはいろいろな理由があってクレジットを利用しない人が沢山います。
そういった人たちは、クレジット以外の決済方法を選択するしかなく、多少高くてもそれが選択できる出品者を選んで購入するのです。
また「Amazonのブランドを利用することで信用されやすい」ですが、こちらの場合は、値段よりも信用に重きを置く人は多少高くてもFBA出品者を選択することが多々あります。
実際、アマゾンでの購入者が評価にて、「アマゾンから発送ということで安心して注文しました」というような内容は結構あります。
特に高額な商品になればなるほど、それは顕著になっていくでしょう。
以上の理由からFBAを利用することにより、自己発送者よりも高い値段で商品を販売することができます。
さて、これまでFBAの特徴やFBAを利用する上でのメリットについて書いてきました。
ではFBAには全くマイナスな面はないのでしょうか?
もちろん、何事にもプラス面とマイナス面があるように、FBAにもデメリットというかマイナス面はあります。
ということでFBAを利用する上でのマイナス面について書いていきます。
FBAのデメリット
FBAを利用することにおけるマイナス面は「手数料を取られること」です。
これは当たり前ですが、商品を保管してくれて、売れた商品を梱包・発送してくれるサービスをアマゾンが無料で行うわけがありません。
その作業をしてもらう以上、それに対して対価を払うのは当然です。
ただ、その手数料というのは商品が売れたときに発生しますので、FBAというシステムを利用したら月額いくらというものではありません。
一つ商品が売れるたびにFBA利用手数料を支払うことになります。
このFBAにかかる手数料についてはこちらの記事でFBAと自己発送でどれくらい手数料に違いがあるのか?詳しく解説しています。
つまり
FBAを利用することのマイナス面は、手数料がかかるので利益が減ってしまう。
ということです。
しかし!ちょっと待ってください!
実はこのFBAのマイナス面ですが、さきほどFBAのメリット③で説明した「商品を高く販売できる」というメリットを活用することで、全くマイナスではなくなります。
もし290円で仕入れた商品が、自己発送で1,000円(送料込)で売れた場合を想定し、ちょっとシュミレーションしていきたいと思います。
少しややこしいかもしれませんが、しっかりついてきてくださいね。
まず、本が自己発送で1,000円で売れた場合
販売手数料は150円
カテゴリー成約料は60円になります。
アマゾンに払うコストの合計は210円ですね。
なので、
1,000-210=790
となり、790円が自分に入ってくるお金です。
その790からさらに仕入れ値を引いた額が利益です。
今回は仕入値が290円なので、単純に
790-290=500
となり、500円が利益ということになります。
(購入者への送料など細かい計算は除く)
しかしFBAを利用して同じ商品を1,000円で販売すると、
販売手数料は同じ150円
カテゴリー成約量も同じ60円
しかしFBAはここからさらに、
出荷作業手数料が84円
発送重量手数料が74円
すべて合計して368円をアマゾンへ支払うことになります。
自己発送の場合だと210円だったのに、FBAだと368円も支払うことになります。
つまり、158円高くアマゾンに払っているわけですね。
そうなると単純に自己発送のときよりも158円も利益が少なくなったことになります。
しかーし!
さきほども説明した通り、FBAは自己発送よりも高く商品を販売することが出来ます。
つまり158円利益が少なくなるのなら、それ以上の差額をつけて販売すればいいのです。
たとえば同じ本を自己発送よりも200円高く販売するとかですね。
そうすると利益はどうなるでしょうか?さきほどと同じようにシュミレーションしてみましょう。
まず販売額は1,200円です。
販売手数料が180円
カテゴリー成約量が60円
FBA出荷作業手数料が84円
発送重量手数料が74円
コストの合計は398円になります。
1,200-398=802
となり、手元には802円のお金が入ってきます。
そこからさらに仕入値の290円を引きます。
802-290=512
なので、利益は512円です。
自己発送のときよりも12円儲かったことになります。
そうなると、アマゾンに在庫を保管してもらって、さらに商品を梱包、発送までしてもらい、自己発送のときよりも儲かったことになるのです。
ただ、問題は、自己発送で出すときよりも200円も高く出して売れるのか?ということですが、
これは余裕で売れます。
200円どころか、極端な例で言えば数千円高くても売れることもあります。
僕の場合、自己発送で出す値段よりも、数百円高く出すことなんてしょっちゅうです。
それなのに他の自己発送の出品者よりも早く、商品が売れることも日常茶飯事です。
このように、FBAを利用する上でのマイナス面は、FBAを利用することのプラス面をしっかり理解することで、全く問題じゃないということになります。
このことを理解していない人は、「FBAは手数料が高いからダメ」とか言ったりしますが、それはあまりにも的外れな結論だということが分かります。
ただ、だからと言って、全ての商品、すべての状況においてFBAを絶対に利用すべきかというとそれもまた違います。
ある場合においてはFBAよりも自己発送の方がいいこともあるでしょう。
FBAで出品する商品と自己発送で出品する商品、どのように分けていけばいいのかは、自己発送のメリットをしっかり理解すれば簡単に判断することが出来るようになります。
ということで次回は、FBAと自己発送はどっちがいいのか?というテーマについて書いていきます。
次の記事⇒FBAと自己発送はどっちがいいのか